【仮公開】OBS-VirtualCamを使ってZoomで画面共有する
はじめに
Zoomの画面共有機能は、PowerPointのスライドなど動きの少ない画面では十分快適に使用できるが、動きの多いビデオには不向きである。本記事ではOBS-VirtualCamを用いて、PCの画面をWebカメラの映像とZoomに認識させることで、より高品質な画面共有を目指す。
なお本記事で紹介する方法はWindows環境でのみ有効である。
※現時点でのこの記事は仮公開です。今後加筆・修正するかもしれません。お気づきの点がありましたらコメントやTwitterでお知らせください。
※(04/10 22:00)仮想オーディオデバイスを使用する際の設定について加筆しました。
注意
本記事は技術検証を目的としており、本記事の内容を参考にし、あるいはしなかったことによる損害について、筆者は責任を負わない。
Zoomはあくまでオンライン会議システムであり、本記事では目的外の使用を推奨するものではない。
画面共有にあたっては、著作権その他の権利侵害のないよう十分に留意すること。
(05/08 追記) 動きの多いビデオの配信は通信量を著しく増加させるので、必要のない場合は利用しないほうがよい。
OBS-VirtualCamとは
OBS(Open Broadcaster Software)はOBS Projectが開発保守しているフリー・オープなストリーミング・レコーディングソフトウェアで、YouTubeやTwitchなどでのゲーム配信に用いられていることで有名。
OBS-VirtualCamはOBSのプラグインで、OBSの映像を(仮想的な)Webカメラが撮影している映像としてZoomに認識させるのに用いる。
必要なソフトウェアのインストール
OBS
https://obsproject.com/ja から最新のOBS Studioをダウンロードしてインストールする。既にインストールされている場合は省略して構わない(OBS ClassicではOBS-VirtualCamは使えないので注意)。
OBS-VirtualCam
OBSのフォーラム https://obsproject.com/forum/resources/obs-virtualcam.539/ からインストーラをダウンロードしてインストールする。途中で「カメラを4つとも登録するか、1つだけ登録するか」を聞かれるが、1つしか使わないのでどちらを選んでもよい。インストール後はPCを再起動したほうがよい。
インストール後にOBSを起動して、「ツール」メニューに「VirtualCam」が表示されていれば準備は完了である。
OBSの使い方
OBSは広く使われている有名なソフトであり、操作方法の解説もネットの至る所に掲載されているため、ここでは説明は省略する。例として下記のサイトを参考にされたい。
ソースの種類は、PCの画面を共有する場合は「ウィンドウキャプチャ」を、動画を共有する場合には「VLCビデオソース」を選択するとよい。
OBS-VirtualCamの使い方
OBSの設定が完了したら、OBSの「ツール」メニューから「VirtualCam」を選択する。
画像の通り、Buffered Framesは0にし、Optionはいずれも選択を解除して、「Start」ボタンをクリックする。
エラーが出て開始できない場合は、OBSやPCを再起動する。
音声
OBS-VirtualCamには仮想マイクは搭載されていないため、音声は別途Zoomに認識させる必要がある。
お手軽:内蔵のステレオミキサーを使う
多くのPCには「ステレオミキサー」という機能が備わっている。これは恐ろしく不正確に説明すると「PCのスピーカーから流れる音声を録音するのに使う」もので、これをマイク代わりにすればPCの音声がそのままZoomに送れるという寸法である。
ステレオミキサーを有効にする方法は下記の外部記事を参考にされたい。
ステレオミキサーが内蔵されていないPCの場合は、さらにこちらの記事も参考にするとよい。
Zoomで流れる音声の大きさを調節すると、PCのスピーカーやヘッドホンから流れる音声も大きくなってしまうので、イヤホンジャックにダミーの端子を挿すか仮想オーディオデバイスを使うとよい。
仮想オーディオケーブルを使う(04/10 22:00 加筆)
本記事では「VB-CABLE」を使う。導入方法など、詳しくは下記の外部記事を参考にされたい。
仮想オーディオデバイスを使う場合、アプリケーションによってオーディオの出力デバイスを変更することで、Zoomに流れてほしくない音声をカットすることができる。
「設定」アプリ(Windowsキー + Xキーを押すと表示されるメニュー、またはスタート メニューから起動する)を開き、「システム」「サウンド」の順にクリックする。
下部にある「アプリの音量とデバイスの設定」をクリックする。
Zoomに音声を流したいアプリケーションの「出力」を仮想オーディオデバイス(ここでは「CABLE Input」)に変更する。
Zoomの設定
Zoomを起動したら、カメラは「OBS-Camera」(もしくはVirtualCamの設定で選択したTarget Cameraと同じ名称のカメラ)、マイクは音声出力に合わせて「ステレオ ミキサー」または仮想オーディオデバイス(ここでは「CABLE Input」)を選択する。その後、「設定」画面を開き、下記の通りに設定を変更する。
ビデオ
「マイビデオ」の設定を下記のようにする。
「HDを有効にする」→オン
「マイビデオをミラーリング」→オフ
「外見を補正する」→オフ
オーディオ
右下の「詳細」ボタンをクリックして、下記のようにする。
「ミーティング内オプションをマイクから"オリジナルサウンドを有効化"に表示」→オン
設定画面を閉じたあと、Zoomのウィンドウ左上に「オリジナル・サウンドをオンにする」という灰色のボタンが表示されるので、クリックする(と青くなる)。
OBS-Cameraが認識されないときは
Zoomのバージョンによっては仮想カメラを認識しないことがあるので、手動で最新のZoomクライアントをインストールする。それでも解決しない場合はOBS・PCを再起動する。